2021年 しごとの教室を振り返ってみました

皆様こんにちは。しごとの教室プロジェクトリーダーの楠瀬です。

しごとの教室について、昨年は情報更新ができていませんでした・・・。ですが実は!!3つの学校で授業をさせていただいたんです。

報告としては少し遅くなりましたが、2021年どんな授業をやってきたのか、振り返りもかねて、この場で報告させていただきます。

より自分の内面に近づく授業へ

2019年からプロジェクトを続けているしごとの教室。「高知の仕事のおもしろさを高知の子どもたちにも知ってほしい」という思いからスタートしました。

その思いで1年間授業を行いましたが、どうしても、子どもたちが受動的に話を聞くだけに留まっていたことが、2020年末一番の心残りでした。

また、オンライン化や生き方など様々な分野における変化が多かった2020年。このまま既存の仕事だけを紹介していていいのだろうか。という思いも強まるように。

私たちが「やりたい!」という思いで『しごとの教室』を運営しているように、これからの仕事は受動的なものではなく、需要と供給のバランスの中で、自ら生み出すことも求められていくという確信も、コロナ禍を経て大きくなっていました。

そこで、2021年は子どもたち自身の思いや、内面との対話を重視した授業内容へ、そして受動的にならないよう、アウトプットをたくさん行うことも意識した授業づくりを行いました。

前置きが長くなりましたが、ここから2021年に行った授業3つをご紹介していきます。

ユメシル教室(高知市立行川学園)

まず最初にご紹介するのは、2021年2月に高知市立行川学園で行った「ユメシル教室~自分の夢って何だろう?~」

行川学園は高知市内の過疎地域である行川にある小学校と中学校が一緒になった学校です。(公立学校です!)

生徒数が少ないこともあり、生徒一人ひとりに目が行き届くような授業を行うことができました。

山奥にひっそりとたたずむ行川学園

テーマにもあるように、この授業で大事にしたのは、生徒たちの「夢を知る(深堀りすること)」でした。

子ども・大人関係なく、誰しもが好きなことや夢中になれることってありますよね?でも、「好きなことを仕事にしたい!」と発言すると、みんなにバカにされるんじゃないかと怖くなりませんか?いや、バカにされた経験がある人、意外に多いんじゃないでしょうか?

そんな子どもの頃からの積み重ねのせいで、「好きなことを仕事にできるわけがない」という思い込みが体にしみついちゃうんじゃないかと思うのです。

そこで、今回の授業では、子どもたちの「好きなこと」「夢中になれること」について、深堀りとアウトプットを行い、そこから想像できる仕事を考えてもらいました。

ふせんいっぱいに、好きなことや夢を広げる生徒たち

そして、ユメシル教室にご参加頂いたのはこちらの方々。

大人の方たちには、パネルディスカッションを通じて、自分がなぜこの仕事をしているのか、中学生の頃に描いた夢などをお話いただくと同時に、子どもたちの夢の深堀りにも密に関わっていただきました。

夢の深堀りでは、生徒たちの想像を否定することなく、大人の知識を使いさらに夢を広げる形で関わっていただきました。

社会人との対話で自分自身を掘り下げてもらいました

大人との関わりにより、生徒自身はより明確で多様なアウトプットを引き出せたのではないかと思います。

また、私たち大人も彼らと向き合い話をすることで、自分たちより10歳・20歳以上も若い彼らの未来には、私たちが想像できないような生き方や働き方が待っているということを改めて感じさせられた授業になりました。

高知市立義務教育学校 行川学園
実施日 2021年2月16日
授業対象 中学1~3年生 約30名
授業時間 約2時間

自分研究会(高知工業高等専門学校)

続いては、2021年7月に行った高知工業高等専門学校での授業の紹介です。

この授業のテーマは自分の特性を知ること。自分の特性は決して普遍的なものではなく、得意分野であることに気づいてもらうことをゴールに授業を行いました。

キャリア理論を使い、自分自身の特性を考えた上で、クラスの友人からフィードバックを受けるという形式で授業を進行しました。

フィードバックを行う高専生たち
高知工科大の竹内さんにも授業サポーターとしてご協力いただきました!

しごとの教室として、リアル社会人の声に耳を傾けることを大切にしていますが、コロナ禍のため、対面での社会人とのふれあいは難しく、社会人の皆様には事前録画した映像でご登場いただきました。

社会人の皆さんにも、自分自身の特性を考えていただき、その特性が社会でどう生きているのか、エピソードを語っていただきました。

社会人との対話時間を十分に作れなかったのは少し残念でしたが、生徒たち自身でのアウトプット時間を通じて、自分の特性に気づいてもらう授業を行いました。

高知工業高等専門学校
実施日 2021年7月8日・15日
授業対象 ソーシャルデザイン工学科1年 約160名
授業時間 90分

わくわくゴールを考えよう(高知市立大津中学校)

最後は、2021年10月と11月に行った大津中学校での授業紹介です。大津中学校では、授業の時間を合計2コマいただき、2部構成で授業を行いました。

この授業のテーマとなったのは、バランスホイール。

バランスホイールとは
「仕事、趣味、社会貢献、人間関係、お金、健康、学習、家族」などの項目において、目標となる理想の状態を設定するフレームワークのこと。項目ごとに、「やりたいこと」を記入し、見つめ直すことで、本当の自分の姿に気づいてもらうというコーチングの手法です。

1コマ目では、生徒が自分自身のバランスホイールの作成を行いました。ここで大事にしたことは、自分自身のリミッターを解除すること

「このレベル以上は無理だよね」という知らず知らずのリミッターを意識的に解除し、自分の理想をとことん広げてもらいました。

そして11月の2コマ目。この授業では社会人4名の方に来校いただきました。

今回登壇いただいた社会人の皆さんには、事前にバランスホイールの作成にご協力いただき、自分と向き合った上で、授業に登壇いただきました。

バランスホイールを通じて、親でもなく、知り合いでもない高知の大人のリアルな夢や思いを聞いた生徒たち。大人も悩みながら、迷いながら、そして自分なりの夢を抱きながら生活しているということを体験できたのではないかと思います。

そして、数名の生徒には、自分自身が作成したバランスホイールの発表にも挑戦してもらいました。

私たちもそうであるように、自分の目標や夢を人に語ることにはあまり慣れていない様子だったので、うまく自分の思いを発表できるか心配していました。しかし、皆さん、堂々と自分の夢を語っており、大人からの深堀り質問にもしっかり答えてくれていました。

全員ではありませんでしたが、この場で発表ができた生徒さんは自分自身をさらに一段深める経験ができたのではないかと感じています。

また、この授業を通じて、大人も子どもたちから学べることがたくさんあるし、大人自身も自分を深めることで改めて「なぜこの仕事をしているのか」考える良いきっかけになることを実感しました。

高知市立大津中学校
実施日 2021年10月15日・11月5日
授業対象 中学3年生 約90名
授業時間 50分×2回

2021年の授業を経て

2021年は、授業内での対話やアウトプットを増やしたことで、間違いなく生徒自身の負荷が高まった授業だったと感じています。負荷を高めたことで、また、私たち運営が生徒たちと触れる時間が伸びたことで、短いながらも一人ひとりが悩んでいる姿を見ることができ、とてもよかったです。

課題としては、生徒の負荷が高まると同時に参加いただく社会人の負荷も高まってしまったということでした。2022年は、社会人の皆さんが負荷だけではなく、持ち帰るものが多くなるような、双方にとってメリットのある授業を展開したいと考えています。

最後に、 2021年も社会人の皆様、また、先生方のご協力の元、しごとの教室プロジェクトを運営することができました。ご協力、応援いただいた皆様、本当にありがとうございます。

2022年も引き続き、よろしくお願いいたします!

しごとの教室に興味がある方へ

2022年は、さらにパワーアップした授業を提供できるよう、メンバー共々より活発に動いていきたいと考えております。

また、しごとの教室では、プロジェクトチームに関わっていただける方を募集しております。ボランティアベースに近いですが、教育に関心がある方、キャリア学習に関心がある方は、お気軽にお声がけくださいね(^^)/